コラム~とりあえず一本植えてみましょう

杜の都仙台。街中でも住宅地でもどこにいても視界には樹木の緑が入ってきます。街路樹や庭木などの間近な緑から遠くに望む丘や森や山の緑。

仙台は緑と都市とがバランス良く共存することでその美しい景観を保っていますが、近年はそのバランスを維持するのが難しくなってきている様に感じます。気候の変動に依るものが原因なのかな。夏季の記録的に続く高温やそこから発生するゲリラ豪雨、まるで温室の中の様な気候では庭木や雑草はわんさかと伸びまくります。そしてその成長の速さに剪定や除草が追いつかない。あるいは反対に灼熱の陽射しにやられ葉っぱが灼けて変色したり、樹木自体が突然枯れてしまったりと。そんな理由もあってか住まいの庭のお手入れがだんだんと面倒になってきて、次第に樹木を植える本数も減ってきました。

震災以前はガーデニングが人気で、新築の際には庭木を3~5本は当たり前、低木や草花もたっぷりと植えていました。今ではその当時に植えた樹木を伐採し、庭の表面には雑草が生えてこない様に防草シートと砂利や人工芝で土をすっかり覆っています。杜の都仙台では我が家に植えなくても辺りを見渡せば必ず視界に緑が見えるし、といった意見もちらほら。

そうはいっても最近のシンプルな佇まいの住宅には樹木が映えるのですよ。道路と玄関を結ぶ動線の途中にアオダモだったりドイツトウヒだったりをほんの一本植えるだけで、住まいが何倍にも魅力的に感じられます。

とりあえず一本植えてみましょう。